笑顔が似合うニューヒロインの誕生だ。久米がガールズケイリンコレクション4回目の挑戦で初制覇。「自分に自信を持って戦えたことが勝ちにつながった」。いつも笑みを絶やさない23歳は満面のスマイルをファンに振りまいた。
勝因は勝負どころを逃さない嗅覚だ。先にレースを動かした石井が2番手に入ると、久米は打鐘過ぎにその後ろへ追い上げた。「最終バックで奥井さん、(石井)寛子さん、私の順番がいいと思っていた」と思惑通りのポジショニング。「先に寛子さんより仕掛けたい」とバック前から急加速で捲り上げる。3コーナーは石井、久米、小林と3車並走の真ん中だったが、狭い位置から一気に抜け出し押し切った。「優勝を確信したのはゴール線を切ってから。詰められてる感じもなかったし、最後はがむしゃらに踏んだ」。ゴール後すぐに右拳を振り下ろしガッツポーズで喜びを表現した。
笑顔の裏には飽くなき向上心。昨年の秋から自ら志願してナショナルチームの練習に参加しスピードを磨き上げた。今回の優勝で賞金ランクは10位から1位へジャンプアップ。今後の目標は「一戦、一戦を大事にして誠心誠意戦いたい」と話し「ガールズグランプリの権利を取って優勝を目指したい」と頂点を見つめた。
◇久米 詩(くめ・うた)1999年(平11)9月3日生まれ、京都府向日市出身の23歳。私立園田学園高卒。通算成績は313戦119勝。通算取得賞金は4765万円。主な優勝はガールズコレクション平塚(23年)。1㍍60、60㌔。血液型O。父は久米康徳(京都=引退)。